高血圧と腎不全
(腎臓の働きが悪い状態、腎不全のページも参照してください)
症状、原因
血圧には、上の血圧と言われる収縮期血圧(心臓が収縮して血を送り出している間の一番高い血圧)と下の血圧と言われる拡張期血圧(心臓が血をためこむ間の一番低い血圧)があります。
血圧の程度は、血管の中の血液の量と血液の流れやすさによって決まります。そのため血液の量が増えたり、流れにくくなることで血圧が上がります。その血圧が基準より高いことを高血圧といいます。一般的には収縮期血圧が140以上あるいは拡張期血圧が90以上の場合に高血圧とされます。
高血圧と腎不全(腎臓の働きが悪い状態)には密接な関係があります。
慢性腎不全(慢性的に腎臓の働きが悪い状態)の原因として、高血圧による腎障害(腎硬化症)は増えてきている疾患です。高血圧により腎臓の動脈硬化が進むことで発症します。
また、慢性腎不全がある場合は、腎不全を認めない方と比べて血圧をより低く治療する必要があります。
しかしながら、慢性腎不全の場合血圧を上げる因子がたくさんあります。
1.塩分と水分を排泄できず体にためこむため血液の量が増える
2.動脈硬化により血液が流れにくくなっている
3.腎臓の働きが悪いことで血圧を上げる物質と動脈硬化を進行させる物質が体にたまる
それぞれ腎不全が悪化していくことで、より影響が強くなります。
結果、高血圧以外の原因で腎臓の働きが悪くなった方も含めて血圧の管理に難渋することがとても多いです。
治療
対応として、必殺技はありません。
まずはできる限りの塩分制限が大事です。
数種類の薬剤を使いながら適切な血圧管理を目指します。
ただし、全身の動脈硬化がより高度であったり、首から頭にかけての動脈にせまい所がある場合などは無理をしません。血圧を目標まで下げると血の巡りが悪くなり、いろいろな症状が出てしまうためです。その場合は状況を判断しながら無理をせず管理していきます。