透析&腎移植(当院では情報提供のみさせていただきます)
お伝えしたいこと
透析を多少ご存知の方は、大変だ、つらいというかなりマイナスのイメージがあると思います。イメージだけで判断せず、いろいろなことを知っていただくことが大切だと考えています。詳細に関してはパンフレットなどを使いながら、なるべくわかりやすく説明させて頂きます。
将来透析などと言われて心配されている、詳しく知りたいなど何でも構いませんので、遠慮せずに相談しに来てください。
末期腎不全(腎臓の働きが、正常の15%以下まで低下)の状態に至り、そこで治療をしない場合は最終的には命にかかわってしまいます。腎臓以外の臓器で命を維持できないぐらい働きが低下すると最終的な治療としては移植となります。しかしながら、腎臓の場合は移植とは別に透析という治療があります。
透析には、血液透析と腹膜透析の2種類があります。
腎不全のせいで体にたまった老廃物と余分な水分・塩分を除去します。薬剤も使用しながら透析をすることで生活を維持できるようにすることが目標になります。
■血液透析
- 血液の中にある老廃物と余分な水分・塩分を除去する治療です。
- 1分間に150~250mlの血液を血管から取り出しながら浄化し、体に戻していきます。
*輸血とは異なるもので、自分の血液のみで行います。
- 上記の血液を取り出すためにあらかじめ内シャントを作成する手術が必要です。
*内シャントは、動脈と静脈をつないだものです。直接動脈の血液が静脈に流れることで、その静脈が太くなり血液の流れがよくなります。人工の血管を埋め込む場合もあります。そこに針を刺すことで必要な血液の流量を得ることができます。
- 腎不全による症状を抑えるために、週3回・1回4時間の治療が基本となります。
- 治療は基本的には病院や透析専門のクリニックで行われます。
*いろいろな準備や研修は必要ですが、ご自宅で行うこともできます。
■腹膜透析
- おなかの中に治療用の水(透析液)をためて行う治療です。体にたまった老廃物と余分な水分・塩分が血液から腹膜を介して透析液に溶けていきます。それを捨てて、再度おなかに新しい透析液をためることを繰り返します。
- 透析液の出し入れのために、腹部にカテーテルという管を埋めこむ手術が必要です。
- 透析液の交換を1日3~4回行います。あるいは夜の寝ている間に機械が8時間ぐらいかけて自動で3~4回交換してくれるやり方もあります。
- 治療は連日のことで、基本的に自宅で行います。ご自身で行うか、ご家族の方が行う必要があります。
- 病院の受診は、問題なければ月に1~2回になります。
*高齢の方でもご自身で管理されていることもあり、極端に難しいものではありません。
腎移植
- ご家族の方などから腎臓を一つ頂く生体腎移植と亡くなれた方から頂く献腎移植があります。
- 献腎移植の場合は、透析が始まるころに献腎移植希望の登録をしてから待機期間があります。そのため、透析開始前や開始後早期の移植は難しくなります。可能であれば生体腎移植を検討することになります。
- 生体腎移植の場合は、腎臓をいただく相手は血族で6親等、配偶者とその3親等とされます。実際は、親から子供、夫婦間、兄弟間の移植が一般的です。
*先行的腎移植といって、透析を施行しないで最初から移植する方法もあります。
当院では、腎機能の低下している段階で上記に関して説明させていただきます。本当に決断しなければいけない日にいきなり決めることは困難だと思います。透析も移植もしないという方針も含めてメリットやデメリットも伝えながら相談させていただきます。
実際の治療に関しては、連携先の病院に紹介させていただきます。