ワクチン・予防接種
希望される場合
・当院では高校生以上の方に対応させていただきます。
・ワクチンは予約接種となります。取りよせが必要なためお電話をお願いします。
*肺炎球菌ワクチン(23価 多糖体ワクチン)の公費助成に関しては、横浜市保健所に確認お願いします
ウイルスや細菌の感染症は一度かかって治ると、つぎはかかりにくくなるものがあります。これは、免疫といってバイ菌や異物と戦うシステムが1回戦った相手を覚えておき、準備しておくからです。このシステムを利用するのがワクチンです。ワクチンを接種することで免疫の準備をしておきます。
ワクチンは、一度そのウイルスや細菌に感染した状態を作り出し、かかりにくくします。重症化を予防する効果もあります。しかしながら、副作用を起こすこともあります。
子供の時にいろいろなワクチンが公費で定期接種されています。
大人の場合で接種を検討するものがあります。当院で可能なものは上記表のもので、以下に内容を説明します。
・肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌は、肺炎の原因菌として一番多い細菌です。肺炎だけではなく、全身の感染症に至り重症化してしまうこともあります。接種することで、感染予防と重症化の予防が期待できます。
65歳以上の方、糖尿病や肺気腫など慢性疾患をお持ちの方、脾臓(免疫に大事な臓器)を摘出した方などに接種が推奨されています。
現在(平成30年度まで)、65歳以降5歳毎の初回のみ一部公費の援助を受けて投与することができます。
平成31年度以降は65歳の方のみ公費の援助が受けられるようになります。
*肺炎球菌のみに対する効果なので、それ以外の菌による肺炎は防げません。
*効果は、5年程度とされます。
*公費の援助が受けられない年齢、2回目以降の場合でも自費で接種が可能です。
・麻疹ワクチン(はしか)
麻疹は、高熱、全身の発疹、かぜ症状などを認める疾患です。症状は強く、成人では入院することも多いです。肺炎や脳炎のなどの重症の合併症を認めることもあります。うつる力はインフルエンザより強いとされます。
子供の定期接種のスケジュールでは
1回接種:1978年(昭和53年)~1990年(平成2年)
2回接種:1990年(平成2年)4月2日以降生まれ でした。
現在では、ワクチン接種で獲得した免疫の低下のため2回接種が推奨されています。1回あるいは接種していなかった方を中心に集団感染が、日本でも散発しています。高齢の方では、子供のころに麻疹ウイルスに感染して、ワクチンが必要のない方も多いです。
正確には、ワクチンの効果の残存を確認するためには抗体価の採血検査が必要です。
妊婦さんに感染した場合は、胎児への影響が大きく、妊娠予定のある方や御家族の方にはワクチン接種が推奨されます。妊娠中は摂取ができないワクチンになります。また、接種後2か月の避妊期間が必要です。
風疹(3日ばしか)ワクチンと混合され同時接種可能なMRワクチンもあります。
・風疹(3日ばしか)ワクチン
風疹は、いわゆる3日ばしかと呼ばれるもので、微熱、全身の発疹、耳の後ろのリンパ節の腫れなどを認める疾患です。麻疹(はしか)と比較し軽症なことが多いですが、脳炎などの重篤な合併症もあります。
最も問題なのは、妊娠初期にかかると、胎児にも感染し各種奇形などを認めることです。そのため、妊娠予定の方は、抗体価の採血検査でワクチン接種の必要性があるかの評価やワクチン接種の検討が大事です。御家族にも勧められます。妊娠中は摂取ができないワクチンになります。また、接種後2か月の避妊期間が必要です。
麻疹ワクチン(はしか)と混合され同時接種可能なMRワクチンもあります
・B型肝炎ワクチン
B型肝炎といって、肝臓に炎症を起こすウイルスがいます。血液の接触や性交渉によりうつるとされます。C型肝炎ウイルスやHIV(エイズの原因となるウイルス)と比較しうつる力が強いです。現在は、子供の時に公費で接種されています。
ワクチンの効果を得るために、初回・1ヶ月後・6ヶ月後の計3回投与します。血液に汚染する可能性のある職業、医療従事者では全員接種が勧められています。
正確には、ワクチンの効果を確認するための抗体価の採血検査が必要です。
・水痘(みずぼうそう)ワクチン・帯状疱疹ワクチン
全身に小さな水ぶくれができる疾患です。発熱を伴うこともあります。大人の方が子供より重症化することが多くなります。また、原因ウイルスがみずぼうそうが治った後に、中枢神経に残ります。体が弱った時などに、そのウイルスが皮膚の一部で再活動してしまう帯状疱疹という病気があります。赤い丘疹や水疱をその神経の支配する部位に形成します。強い痛みを伴うことが多く、その痛みが残ってしまうこともあります。このワクチンで帯状疱疹を防ぐ効果も期待できます。
また、妊婦さんに感染した場合は胎児にも感染し先天性水痘症候群という皮膚や手足、頭部や目の病気を招きます。そのため、妊娠予定の方は、ワクチン接種の検討が大事です。御家族にも勧められます。妊娠中は摂取ができないワクチンになります。また、接種後2か月の避妊期間が必要です。
・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ワクチン
耳の下などの唾液腺(唾液を分泌する)が腫れる病気です。思春期以降にかかると重症化しやすくなります。特に、男性の場合は睾丸に炎症を起こし、無精子症の原因となることがあります。小児でも定期接種となっておりません。
妊婦さんに感染した場合は、流産率が約2倍に上昇してしまいます。妊娠予定のある方や御家族の方にはワクチン接種が推奨されます。また、接種後2か月の避妊期間が必要です。