高中性脂肪血症(脂質異常症)
受診の流れ
- 再検査と程度の確認
- 生活習慣の改善の提案
- 他の病気もふまえて治療開始を検討
大事なこと
- 高血圧や糖尿病などと同様に症状がなくても動脈硬化を進行させます
- 経過観察や相談をして、ほうっておかないようにしてください
中性脂肪は、いわゆる脂(あぶら)のことでトリグリセライド(TG)ともいいます。主に摂取しすぎた炭水化物・糖質を元にして、肝臓で中性脂肪を作ります。血液中の中性脂肪が増えると、脂肪細胞の中に蓄積されます。
問題なのは、中性脂肪が高いことにより、動脈硬化を進めてしまうからです。高血圧や糖尿病よりは影響が少ないですが、放置はしない方がいいものです。また、糖尿病や肥満症、脂肪肝などの合併も多いです。極端な高値の場合は、急性膵炎をおこしやすくなります。中性脂肪が上がる理由に、体質に加え食べ過ぎ・肥満・アルコール・運動不足などがあります。コレステロールと比較し体質の影響は少ない印象です。
中性脂肪の基準
食前・空腹時での異常値 150mg/dl以上
食後での異常値 200-250mg/dl以上
*食事の影響で、数値は上下します。病気の初期は食後のみ上昇することがあります。
食事療法
昔から油物を避ける食事療法があります。最近のデータでは、炭水化物・糖質を減らすこと、運動や減量の方がメリットがあるとされます。他にアルコールを飲みすぎないというのも大事です。体重過多ではない方でも、内臓脂肪の多い状態、いわゆるメタボとなっている方が多く、運動やバランスのいい食事による改善は期待できます。
オメガ3脂肪酸(青魚に含まれるDHA・EPA、えごまに含まれるαリノレン酸など)は不足しない方がいいとされています。魚を食べることが減り、日本人でも摂取量が減ってきています。中性脂肪低下効果や動脈硬化抑制も認められ、DHAやEPAは病院で処方できる薬にもなっています。
治療について
中性脂肪を下げる薬があります。コレステロールなどの薬と比較し十分に下がらないことも多いです。食事や体重の管理が重要です。