井土ヶ谷ふじい内科|内科・腎臓内科・糖尿病内科

横浜市南区の井土ヶ谷ふじい内科

痛風や尿酸に関してのよくある質問

足がじんじんします、ピリピリします、痛風ですか?」痛風や尿酸に関してのよくある質問に答えます。

井土ヶ谷ふじい内科
多くの人が痛風という病気を聞いたことがあると思います。とても痛い病気でこわいイメージがあり、また実際に身近に痛風を起こして大変な思いをされている方もいらっしゃるかもしれません。実際に痛風を起こされて受診される方は、歩くのもやっとの状況で、見るからに痛々しいです。

そのため、足にびりびりやじんじんなどの違和感を感じると痛風を心配される方が多いです。痛風を繰り返されている方は、予兆といって痛くなる前に違和感や軽い痛みを感じることがあります。ただ、痛風の経験のない方では痛風の予兆ではないことも多いです。
痛風
痛風と判断するときは、基本的には1か所の関節が腫れていて、健康診断などで以前より尿酸が高いことを指摘されている場合です。関節は、足の親指の付け根が多いですが、足の甲や足の裏、足首、かかと、膝などの場合も多いです。繰り返されている方に多いですが、手首や肘、手の指などもまれにあります。

つまり、痛風の経験のない方では、じんじんやびりびりなどの違和感のみの時は判断がつかないことが多いです。また、痛風よりは珍しいですが痛風のように関節が痛くなる病気もいろいろあります。

痛風や尿酸に関して、よく質問されることに答えてみました。

井土ヶ谷ふじい内科 説明
『痛風とはどういった病気でしょうか?』
通常は老廃物である尿酸は、血液に溶けています。この尿酸が何らかの理由で多くなってしまうと、血液に溶けなくなり、関節で塊になってくっついてしまいます。この塊が何らかの刺激ではがれてしまうときに、体が反応して関節がはれあがり、痛くなる病気です。

多くは赤黒く腫れあがります。何もしなくてもつらいですが、風ぐらいの軽い刺激でもより激しい痛みになります。そのため痛風と名付けられたようです。

『尿酸はどうして高くなるんですか?どんな生活がいいんですか?』
尿酸は、遺伝子を構成するDNAやエネルギーを担当するATPが分解されてできた老廃物です。プリン体という物質がDNAの材料になるので、プリン体を取りすぎないようにという食事療法が有名です。

しかしながら、プリン体を気にするよりは、バランスよく食べ、お酒を飲みすぎず、適度に運動をして、適正な体重を維持するのが正しいようです。アルコールに関してはプリン体の少ないものが市販されていますが、アルコール自体にも尿酸を上昇させる効果があります。残念ながら飲みすぎないようにした方がいいのは同じのようです。

結局尿酸で特別にというより、いわゆる健康的な生活が必要とされます。また痛風や尿路結石の予防に、水分摂取を1日2L以上にすることも推奨されています。少しでも意識するといいようです。結局特に必殺技はないようです。

また一部の方で体質・遺伝がメインで、尿酸が高い方がいらっしゃいますが生活習慣が大事であることは同様です。尿酸はほとんどの動物で分解することができるので体内にたまりません。ところが人間とサルなど一部の動物で尿酸を分解できずに体内にたまる傾向があります。

『健診で尿酸が高いと言われたら?』
尿酸が7.0以上のときに高尿酸血症を指摘されることが多いです。女性の場合は、健診により5.5以上を異常としている場合もあります。これは、一般的に7以上の場合に血液中に溶けることができなくなり、関節などに塊がくっついてしまうからです。

痛風を起こしていない場合でも、尿酸が9.0以上あるいは高血圧などの病気がある方は8.0以上で介入・治療が推奨されています。すぐに薬ではなくても受診して相談されることをお勧めします。

『尿酸が高くても、痛風にならなければ大丈夫ですか?』
尿酸の高値が続くと溶けない部分が体に蓄積していきます。一般的には高値が、長期になればなるほど蓄積します。それでも痛風発作には至らない方もいらっしゃいます。

しかしながら問題はそれだけではありません。尿酸が腎臓に負担をかけて腎臓の働きを落としてしまうこと、尿の通り道で溶けなくなり尿管結石を起こしてしまうことがあります。尿管結石は痛風以上の痛みで、救急車で来院される方も多いです。さらに問題があります。多くの高尿酸血症の方は、適切ではない生活習慣の影響を受けていることが多いです。

食べ過ぎ、飲酒が多い、体重が多いなどです。そのため、高中性脂肪血症、高血圧、糖尿病、脂肪肝などの生活習慣病の合併あるいは予備軍であることが非常に多いです。いわゆるメタボの方です。
メタボ
そのため、心筋梗塞や脳卒中など大きな病気につながることが心配です。痛風は命にかかわることはないですが、心臓や頭は命にかかわったり、大きな後遺症を抱えてしまうことがあります。

また、生活習慣病の始まりとして、高尿酸血症や高中性脂肪血症の指摘が多いです。つまり尿酸が高いことは、体質や遺伝の影響もあり、生活習慣だけが悪いというわけではありませんが、生活習慣改善のきっかけにして頂きたい異常かと考えています。受診されて相談されることをお勧めします。

『痛風になって受診したらどういう流れになりますか?』
今までの尿酸の経過の確認や痛みのある関節の場所などから、痛風の可能性を判断します。痛風発作と判断した場合は、ロキソニンなどの痛み止めで治まるのを待ちます。

採血で尿酸の数値も確認します。発作時の場合は、患者さんによっては急激に尿酸を尿に排泄することがあり、通常の時より低めになる場合があり注意が必要です。状況によっては低いので痛風ではないとすぐには判断しない方がいい場合があります。痛みが治まるのは、だいたい3-7日ぐらいが多いです。

ある程度落ち着いてから尿酸を下げる薬を始めます。すぐに始めないのは、発作時に尿酸を下げると悪化させる可能性があるからです。あとで述べるひどい痛風の場合は、発作時でも悪化に注意しながら尿酸を下げる場合もあります。徐々に尿酸を6未満まで下げます。一般的には、その状況で2年ぐらいで関節にくっついた尿酸の塊もなくなってくるようです。

『ひどい痛風や重症の痛風はあるんですか?』
まず痛みが1週間以上続く痛風があります。他には発作を繰り返し続ける痛風です。同じ場所で数日治まってもすぐ起こしたり、右足親指、左膝、右膝、左足首など数日あけて別の場所で発作を繰り返すものです。

最長で4か月ぐらい繰り返されている方もいらっしゃいました。それらの場合は、ステロイドといって強めの薬やコルヒチンという薬を併用しながら尿酸を下げる治療を開始します。尿酸を下げることで一時的に悪化することはありますが、状況を改善するために尿酸低下薬を開始します。

長期に放置すると関節がリウマチのように変形してしまうこともあります。ひどい痛風の方は、尿酸高値を長期に放置されていた方が多いです。発作時のみ治療をして継続できなかった方も多いです。痛みが治まると面倒くさいと思いますが、通院や治療を継続してください。

『尿酸を下げる薬はどんなものがありますか?』
尿酸が高い場合は、以前は尿酸を体でつくるのが多い(産生過多)なのか、尿に排泄できない(排泄低下)のかを判別してから薬を選択していることがありました。それぞれに対した、尿酸産生低下薬と尿酸排泄亢進薬の2つがあります。

いろいろな考え方がりますが、個人的にはタイプを分けずに、どちらにも効果があるとされる尿酸低下薬を使用することが多いです。どの薬剤を使うにしても副作用に注意し、効果の判定、投薬量の調整が必要です。

『発作を起こしやすくなる生活はありますか?』
痛風発作は、夏と年末年始に多いようです。まず夏に多い理由ですが、水分不足です。水分を取っているつもりでも汗をかくと思いのほか水分が不足します。水分不足で尿酸は1.0ぐらい数値が上昇することはよくあります。

そのことが刺激となり、発作が起こりやすくなります。年末年始は、アルコールが増えること、食べ過ぎが増えることで発作が増えるようです。まず、アルコールですが人によって異なりますが、利尿効果があり飲んだ量以上に尿が増えてしまい脱水となることがあります。

食事も同じですが一気にプリン体・尿酸の負荷が増えることもあわせて急上昇して発作に至るようです。強い運動、筋トレなども刺激なることがあります。ある程度尿酸をコントロールしてからがいいようです。

まとめ

  • 尿酸が高いと指摘されたら、生活習慣病・メタボの始まりかもしれません。ほうっておかずに受診して相談しましょう。
  • 痛風になったら痛みが改善しても、次の発作を防ぐために、その他の病気を防ぐために通院を継続しましょう。
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